JAC(建設技能人材機構)とは|役割・加入要件・費用をわかりやすく解説

合同会社エドミール代表社員・武藤 拓矢
合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢

2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立しました。

武藤 拓矢のプロフィール

JAC(一般社団法人建設技能人材機構)は、建設分野で特定技能外国人を受け入れるすべての企業が加入を義務づけられている組織です。国土交通大臣の登録を受けた特定技能外国人受入事業実施法人として、受入企業の適正就労を監理し、技能評価試験や無料の職業紹介などの事業を行っています。

建設分野の特定技能外国人受入れでは、建設業許可・建設キャリアアップシステムへの加入とあわせてJAC加入が建設特定技能受入計画の認定要件となるため、加入の要否や費用を事前に把握しておくことが欠かせません。この記事では、JACの役割から加入方法、会費・受入負担金の目安、加入手続きの流れまでを解説します。

JAC(建設技能人材機構)とは

JAC(一般社団法人建設技能人材機構)は、国土交通大臣の登録を受けた特定技能外国人受入事業実施法人で、建設分野で特定技能外国人を受け入れる企業はすべて加入が必須です。2019年4月、元請けゼネコンや受入対象職種の専門工事業団体が発起人となって設立されました。

2026年7月1日時点でJAC正会員である建設業者団体は63団体にのぼり、賛助会員として直接加入する企業も含めて幅広い受入企業がJACの枠組みのもとで特定技能外国人を雇用しています。

設立の目的と背景

JAC設立の背景には、建設分野における技能実習生の失踪率の高さや労働関係法令違反の多さがあります。人手不足が深刻化する建設業界で外国人材を適正・円滑に受け入れるため、受入企業が守るべき共通行動指針を定め、違反企業を是正・排除する役割を担う組織として設立されました。

JACの役割・事業内容

JACの主な役割は、賃金・労働条件の確認と巡回指導による適正就労管理、技能評価試験・教育訓練の実施、無料の職業紹介などを通じて、特定技能外国人の適正な雇用環境を守ることです。

適正就労管理(賃金確認・巡回指導)

受入企業が特定技能外国人に適切な賃金を支払い、法令を遵守した労働条件で雇用しているかを確認し、必要に応じて巡回指導を行います。不法就労者の雇用禁止、技能レベルに応じた賃金設定、差別やハラスメントの禁止などを内容とする共通行動指針の遵守状況を監理します。

技能評価試験・教育訓練の実施

建設分野特定技能1号評価試験など、区分ごとの技能評価試験を国内外で実施するほか、特定技能外国人向けの教育訓練や制度周知を行います。試験は学科と実技で構成され、海外在住者は現地会場で受験できます。

無料の職業紹介(転職マッチング)

特定技能外国人が転職を希望する場合に、無料の職業紹介サービスで求職者と受入企業のマッチングを行います。特定技能は技能実習と異なり転職が可能な資格であり、JACはその転職先探しを支援する役割も担っています。

JACへの加入は義務か

建設分野で特定技能外国人を受け入れる企業は、賛助会員としての直接加入か正会員団体経由の間接加入のいずれかでJACに加入することが必須で、任意加入ではありません。JAC加入は、国土交通大臣が認定する建設特定技能受入計画の要件の一つに位置づけられています。

建設業許可の保有、建設キャリアアップシステムへの事業者登録とあわせて、JAC加入は受入企業に課される建設分野独自の要件です。受入企業に課される要件全体は、特定技能「建設」とはの記事でも解説しています。

JACへの加入方法(直接加入・間接加入)

JACへの加入方法は、企業が賛助会員として単独で直接加入する方法と、JAC正会員である建設業者団体の傘下に入る間接加入の2通りです。2026年7月1日時点でJAC正会員団体は63団体あり、既に加盟している業界団体があればその傘下での間接加入が選びやすい場合もあります。

賛助会員として直接加入する場合

賛助会員として直接加入する場合は、企業単独でJACに申し込み、後述の年会費・受入負担金を直接JACへ納付します。正会員団体に加盟していない企業や、団体を経由せず自社で手続きを完結させたい企業に向いています。

正会員団体経由で間接加入する場合

正会員団体経由で間接加入する場合は、所属する建設業者団体を通じてJACの枠組みに加わります。JACへの年会費納付は不要になりますが、団体ごとに独自の会費が設定されていることが多く、受入負担金は直接加入と同様に発生します。

JACの年会費・受入負担金の目安

賛助会員として直接加入する場合の年会費は24万円(入会金なし)、1号特定技能外国人の受入負担金は1人あたり月額12,500円(年額目安15万円)です。受入負担金は令和6年7月分から一律12,500円に統一されており、以前のような技能水準別の段階制ではありません。

正会員である建設業者団体の年会費は36万円(一定要件で免除あり)で、団体傘下の企業はJACへの年会費納付が不要になる一方、受入負担金は直接加入と同額の月額12,500円が発生します。登録支援機関の場合は契約している建設企業数に応じて賛助会員年会費が20社未満12万円・10社未満6万円・5社未満3万円へ段階的に減額される仕組みもあります。より詳しい費用の内訳や登録支援機関への委託費との切り分けは、JAC 特定技能 費用の記事で解説しています。

JAC加入の手続きの流れと期間

JAC加入は、必要書類の提出から会員として承認されるまで目安で1か月程度を見込んでおく必要があります。建設特定技能受入計画の認定申請と並行して進めることになるため、採用スケジュールの初期段階でJAC加入の手続きに着手することが重要です。

賛助会員として直接加入する場合は、JACの所定様式で加入申込書類を提出し、審査を経て会員として登録されます。正会員団体経由の場合は、加盟する団体の案内に沿って手続きを進めます。いずれの場合も、建設キャリアアップシステムへの事業者登録や受入計画の準備と並行して進めるとスケジュールを短縮しやすくなります。

JACに未加入だとどうなるか

JACに未加入のままでは、建設特定技能受入計画の認定を受けられず、特定技能外国人の受入れ自体ができません。既に受入計画が認定されている企業でも、JAC未加入が判明すれば是正指導の対象となる可能性があります。

受入計画の認定は在留資格の申請にも直結するため、JAC未加入のまま採用活動を進めると、内定後に手続きが止まり入社時期がずれ込むリスクがあります。採用を検討し始めた段階でJAC加入の要否とスケジュールを確認しておくことをおすすめします。JAC加入を含めた受入れ全体のサポートは建設業向け特定技能サービスでご案内しています。

よくある質問

JACへの加入を登録支援機関に代行してもらうことはできますか。
登録支援機関や行政書士がJACへの入会申請を代行することはできません。加入義務は受入企業に課されており、申請フォームへの入力や必要書類の提出は企業自身が行う必要があります。登録支援機関への支援委託とJAC加入手続きは別の仕組みです。
賛助会員と正会員団体経由、どちらが安く済みますか。
直接加入の年会費は24万円ですが、正会員団体経由ではJACへの年会費納付は不要になる一方、団体独自の会費が発生します。総額は団体ごとに異なるため、加盟予定の団体へ確認したうえで比較する必要があります。
JACの受入負担金は誰が支払いますか。
受入負担金は受入企業がJACへ直接、または正会員団体を通じて支払います。1号特定技能外国人1人あたり月額12,500円が目安です。
JACに未加入のまま特定技能外国人を採用できますか。
できません。建設分野では受入計画の認定要件にJAC加入が含まれているため、未加入のままでは特定技能外国人の受入れ自体ができません。

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