土木
土木施設の新設・改築・維持・修繕などに係る作業(道路・橋梁・トンネル・河川・港湾・造成など)
許可の目安舗装・しゅんせつ・造園・さく井など。大工・とび土工・鋼構造物・鉄筋・塗装・防水・石・機械器具設置は建築にもまたがる。

2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立しました。
武藤 拓矢のプロフィール特定技能の「建設分野」で外国人材を受け入れる場合、まず理解しておきたいのが「建設分野の中に複数の業務区分がある」という点です。現在は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に分かれています。
「建設ならどの仕事でも自由にできる」仕組みではありません。外国人の業務区分・受入企業の建設業許可・実際の作業内容をセットで確認する必要があります。区分は現場の種類ではなく、作業の性質で判断します(国交省・JAC)。
特定技能は人手不足が深刻な産業分野において即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格で、建設分野はその対象分野の1つです。他分野と異なり、受入企業には建設業許可やJACへの加入など建設分野特有の要件が追加で課されます。
正確には特定技能 → 建設分野 → 3つの業務区分という構造です。「建設に3分野ある」ではなく、「建設分野に3つの業務区分がある」と表現します。
土木
道路・橋梁・トンネル・河川・港湾などの土木施設
建築
住宅・マンション・ビル・店舗などの建築物
ライフライン・設備
電気・通信・ガス・水道・配管・空調などの設備
特定技能1号・2号とも、建設分野はこの3区分を基本としています。
細かい区分だと「多能工」に対応しにくいため、国交省は地方を中心とした人手不足対応と、幅広い業務での受入れを目的に統合しました。いまは「型枠だけ」「左官だけ」ではなく、性質が近い作業を3つの大きな区分にまとめる考え方です。
各区分は、指導者の指示・監督のもとで行う作業の性質で決まります。「道路現場だから土木」「マンション現場だから建築」のように、現場の種類だけでは判断しません。
土木施設の新設・改築・維持・修繕などに係る作業(道路・橋梁・トンネル・河川・港湾・造成など)
許可の目安舗装・しゅんせつ・造園・さく井など。大工・とび土工・鋼構造物・鉄筋・塗装・防水・石・機械器具設置は建築にもまたがる。
建築物の新築・増築・改築・移転・修繕・模様替などに係る作業(戸建・マンション・ビル・店舗・工場・倉庫など)
許可の目安内装仕上・建具・左官・タイル・屋根・ガラス・解体など。板金・熱絶縁・管工事はライフライン・設備にもまたがる。
電気・通信・ガス・水道などのライフライン・設備の整備・設置・変更・修理
許可の目安電気・電気通信・水道施設・消防施設など。板金・熱絶縁・管工事は建築にもまたがる。
特定技能
土木・建築・ライフライン・設備
の3区分
建設業許可
大工・左官・電気・管・内装仕上
など細かな業種
この順番で確認するのが基本です。
許可と業務区分は1対1ではありません。代表的なまたがりは次のとおりです。
国交省は、該当するいずれか(または双方)の区分で認定を受けられると整理しています。「管工事業=必ずライフライン・設備」とは限りません。
間違えやすいポイント
「エアコン工事だから全員ライフライン・設備」と決めつけず、外国人のルート/業務区分・会社の許可・実際の作業まで確認してください。
マンション現場でも、担当作業によって区分が分かれます。
土木現場でも、担当内容によっては別区分との関係確認が必要です。JACも「作業の性質による分類であり、現場の種類による分類ではない」と説明しています。
中心となる専門作業だけでなく、通常付随する関連業務にも従事できます。
あくまで主たる業務に付随する位置付けです。関連業務だけを専ら行わせる運用とは区別します。
技能実習2号を良好に修了し、職種と業務区分の対応関係を満たせば、特定技能1号の技能試験・日本語試験が免除される場合があります。国交省資料では建設関係の試験免除対象として25職種が整理されています。
「建設の技能実習を修了した=3区分すべてへ移行できる」ではありません。修了職種と希望する業務区分の対応を確認する必要があります(JACは国交省の運用要領別表の確認を案内)。
19区分→3区分の実務的な意味
技能実習で特定職種を経験していても、特定技能移行後は同じ業務区分内の別作業に従事できる場合があります(JAC)。新しい作業には十分な訓練・安全衛生教育・同等以上の報酬設定が必要で、基本給変更時は雇用契約変更や外国人就労管理システム上の届出も求められます。
技能実習=職種単位から、特定技能=3つの広い業務区分へ、という違いです。
1号は、原則として技能試験と日本語試験への合格、または対応する職種の技能実習2号の良好な修了などにより取得でき、在留期間は通算原則5年までです。2号は班長等としての実務経験と2号評価試験または技能検定1級等が必要な熟練者向けで、更新回数に上限はありません。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 業務区分 | 土木・建築・ライフライン・設備 | |
| 在留期間 | 通算原則5年まで | 更新・通算の上限なし |
| 家族帯同 | 原則不可 | 要件を満たせば配偶者・子が可能 |
| 1号支援計画 | 必要 | 対象外 |
| 技能試験 | 1号評価試験等 | 2号評価試験・技能検定1級等 |
| 実務経験 | 班長経験要件なし | 班長等として一定の経験が必要 |
2号は建設特定技能受入計画の認定は不要ですが、JAC所属など建設分野独自の要件は残ります。
代表ルートは2つです。詳細は特定技能1号 建設でも解説しています。
技能実習2号を良好に修了していない場合、原則として技能試験+日本語試験の両方が必要です。
対応関係を満たせば技能評価試験と日本語試験が免除されます。
2026年8月時点で、土木・建築・ライフライン・設備の3区分について実施されています。
学科試験
実技試験
名称は「実技」ですがCBT方式です。学習資料は多言語でも、試験自体は日本語で行われます。
1号より高い技能水準で、複数の技能者を指導しながら工程を管理できる熟練技能者向けです。詳細は特定技能2号 建設・特定技能2号 建設 要件へ。
建設分野は他分野より受入企業側の上乗せ要件が多いです。外国人本人の試験合格だけでは受け入れできません。
会社は何の工事をしているか
内装、型枠、解体、配管、電気、空調、塗装、舗装など
必要な建設業許可を持っているか
建設分野の特定技能受入れには建設業許可が必要
許可はどの業務区分に対応するか
土木・建築・ライフライン・設備(または複数)を確認
外国人の業務区分要件
1号評価試験、技能検定、技能実習修了職種など
担当作業がその区分に含まれるか
資格名だけでなく実際の作業内容で判断
受入条件を満たしているか
給与・契約・CCUS・JAC・受入計画など
建設業法第3条の許可が必須。軽微工事のみで許可未取得の会社でも、建設分野の特定技能1号受入れには許可が必要です。受入計画申請時に許可番号・通知書等を提出します。
受入企業自身がJACへ直接または間接加入する必要があります。間接=正会員団体経由、直接=賛助会員(年会費24万円)。登録支援機関の加入では代替できません。
1号1人あたり月額12,500円(年額15万円・2026年8月時点)。外国人本人への負担転嫁は不可。2号は対象外です。
受入企業と特定技能外国人の双方で建設キャリアアップシステムへの登録が必要。2号の班長・職長経験の確認にも使います。
同等技能の日本人と同等額以上を安定的に支払い、習熟に応じた昇給も契約上明確にします。1号評価試験/技能検定3級合格者は、比較上「3年以上経験者」として扱う必要があります。
1号は月給制が必須(日本人の日給制とは別)。自己都合欠勤の一定控除は可ですが、天候・会社都合の中止を欠勤扱いにして不払いとする運用は認められません。
原則「1号+外国人建設就労者 ≦ 常勤職員数」。常勤職員に1号・外国人建設就労者・技能実習生は含めません。
在留資格申請の前提として、国土交通省の受入計画認定が必要(別手続き)。審査に3〜4か月かかる地域もあるため、予定日から逆算して準備します。
事前ガイダンス、送迎、住居・生活契約、生活オリエンテーション、公的手続同行、日本語学習、相談対応、交流促進、転職支援、定期面談など。自社実施が難しければ登録支援機関へ委託可(許可・JAC・CCUS・受入計画は企業側の義務のまま)。
派遣は原則不可
特定技能で派遣が認められるのは農業・漁業など限定分野です。建設分野は受入企業との直接雇用が基本で、「自社で雇って他社へ派遣する」運用はできません。請負(自社指揮命令)と人材派遣(他社指揮命令)は制度上まったく別です。
当社料金の目安は、支援委託費が月額20,000円〜、在留資格申請が100,000円〜、更新が50,000円〜です。受入れは建設業許可取得からJAC加入、CCUS登録、受入計画申請、在留資格申請までの流れで進みます。
これにJAC加入費、1号の受入負担金、海外採用時の渡航・宿泊費などが別途かかります。総額は委託範囲・人数・ルートで変わるため、費用・料金プランをご確認ください。
建設分野の特定技能は土木・建築・ライフライン・設備の3区分で考え、外国人本人の業務区分・試験や技能実習の経歴と、受入企業側の建設業許可・JAC加入・CCUS登録などの上乗せ要件を合わせて確認することが重要です。
※本記事は2026年8月12日時点で、国土交通省、出入国在留管理庁、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)が公表している情報をもとに整理しています。制度・試験・書類・費用は変更される場合があるため、申請時は最新情報をご確認ください。