特定技能2号 建設|要件・試験・在留期間・取得までの流れ

2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立しました。
武藤 拓矢のプロフィール特定技能2号 建設とは
特定技能2号 建設とは、建設現場で複数の技能者を指導しながら工程を管理する「班長」としての実務能力を持つ熟練外国人材に与えられる在留資格です。特定技能1号と異なり在留期間の更新回数に上限がなく、要件を満たせば配偶者・子どもの帯同も認められます。
制度は2019年4月の特定技能創設と同時に設けられましたが、建設分野は他分野に先行して2号への移行が本格的に運用されており、1号を経て2号へキャリアアップする外国人材が増えています。
特定技能1号との違い
1号と2号の最大の違いは、在留期間の上限と家族帯同の可否です。
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算5年が上限 | 更新回数の上限なし |
| 更新サイクル | 法務大臣が個々に指定する期間(3年以内) | 3年・2年・1年または6か月 |
| 家族帯同 | 不可 | 配偶者・子どもは要件を満たせば可 |
| 取得要件 | 建設分野特定技能1号評価試験または対応する技能検定3級+日本語試験、あるいは対応する技能実習2号の良好修了 | 建設分野特定技能2号評価試験、技能検定1級または単一等級の合格+班長としての実務経験 |
建設分野全体の制度像は特定技能「建設」とは?業務区分・要件・費用の解説、1号の詳細は特定技能1号 建設の記事もあわせてご覧ください。
特定技能2号 建設になるメリット
2号になると在留期間の更新に上限がなくなり、配偶者・子どもの帯同も可能になります。更新に上限がないため長期就労を継続しやすく、出入国在留管理庁が定める永住許可の在留要件(就労資格での一定期間の在留など)を満たしやすくなる点も、1号からのキャリアアップを目指す外国人材にとって大きな利点です。
企業側にとっても、班長として現場を任せられる人材を長期的に確保できることは、技能実習生や1号人材だけでは難しい現場マネジメントの安定につながります。
特定技能2号 建設の取得要件(試験・実務経験)
2号取得には、「建設分野特定技能2号評価試験」「技能検定1級」「技能検定単一等級」のいずれかへの合格と、班長としての実務経験の両方が必要です。実務経験の必要年数は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価基準がある職種は職種ごとに定められた就業日数、基準がない職種は一律で就業日数3年(645日)以上と、職種によって異なります。
技能試験(評価試験・技能検定)
技能試験は、土木・建築・ライフライン・設備の3区分ごとに実施される「建設分野特定技能2号評価試験」に合格するか、都道府県等が実施する「技能検定1級」または「技能検定単一等級」に合格することで満たせます。評価試験は学科と実技で構成され、合格した区分に対応する主たる業務に従事します(主たる業務に付随する関連業務への従事も認められます)。
JAC(建設技能人材機構)による受験機会の拡大や学習支援もあり、2025年度には建設分野の特定技能2号評価試験の合格者が累計1万人を超えたと報じられています(日刊建設工業新聞、2026年5月8日付)。試験区分ごとの最新の合格率は、JAC公式サイトで確認できます。
班長としての実務経験(建設キャリアアップシステム)
実務経験の年数は、国土交通省が定める職種別の基準(令和7年1月31日一部改正)に基づきます。CCUSの能力評価基準がある職種は、能力評価基準レベル3相当の「就業日数(職長+班長)」が必要で、例えば型枠工・電気工などの多くの職種は1年(215日)以上、大工は0.5年(108日)以上、とび・足場とび工は2年(430日)以上、鉄筋工は3年(645日)以上など、職種によって幅があります。能力評価基準の設定がない職種は、一律で「就業日数(職長+班長)が3年(645日)以上」です。
実務経験の確認は、CCUSに蓄積された就業日数の画面またはレベル判定結果通知書の写しで行うのが基本です。CCUSに就業日数が十分に蓄積されていない場合は、分野参考様式第6-3号の申告書と経歴証明書(誓約欄まで正確な記入が必要)で確認します。
1号から2号への変更手続きの流れ
1号から2号への変更は、①試験合格と実務経験要件の充足確認、②必要書類の準備、③在留資格変更許可申請、④出入国在留管理庁の審査という順で進み、審査期間の目安は申請から2か月弱です。
- 技能試験の合格証明書を取得し、要件を満たしたことを確認する
- CCUSに蓄積された就業日数(職長+班長)から、班長としての実務経験が要件を満たしているか確認する
- 申請人側・所属機関側の必要書類(社会保険・納税証明書類などを含む)を準備する
- 在留資格変更許可申請(海外からの新規採用の場合は在留資格認定証明書交付申請)を行う
- 出入国在留管理庁の審査を経て、在留資格変更許可・在留カードの交付を受ける
詳しい要件の確認方法は特定技能2号 建設 要件の記事でも解説しています。
取得にかかる期間・費用の目安
在留資格変更の審査期間は申請から2か月弱、建設ジンザイテラスへ手続きサポートを依頼する場合は在留資格申請100,000円〜が目安です。企業側の書類準備も踏まえると、在留期限の4か月前から準備を始めるのが安全です。
審査・取得までの期間
技能試験の結果通知までは目安2週間程度、在留資格変更許可申請の審査期間は目安2か月弱です。企業側の書類準備にも1か月程度かかるため、在留期限の4か月前を目安に準備を開始すると、期限切れのリスクを避けやすくなります。
費用の目安
建設分野特定技能2号評価試験は、2025年12月以降は全国のプロメトリック会場での受験に移行しています。受験料は実施方式の見直しに伴って変わることがあるため、申込み前にJACまたはプロメトリックの公式サイトで最新の金額をご確認ください。在留資格変更の手続きサポートを建設ジンザイテラスへ依頼する場合は、在留資格申請100,000円〜、その後の在留資格更新50,000円〜を目安としています(登録支援機関への支援委託は法令上1号特定技能外国人支援計画に基づく制度のため、2号では任意のサポートとしてご案内しています。採用ルートや依頼範囲により総額は変動します)。詳しくは費用・料金プランのページでご確認ください。
受入企業に求められる要件
受入企業には、建設業許可の保有、建設キャリアアップシステムとJACへの加入が必要で、この2要件は1号・2号で共通です。建設特定技能受入計画の認定は特定技能1号の受入れに関する制度で、2号は対象に含まれません。2号を受け入れる場合は、これに加えて班長としての実務経験を証明する書類(CCUSの就業日数データなど)を計画的に整備しておくことが重要になります。
JACの役割はJAC(建設技能人材機構)とは、受入計画の詳細は建設特定技能受入計画と受入計画 申請方法の記事でも解説しています。JAC関連費用の目安はJAC 特定技能 費用をご確認ください。
よくある質問
- 特定技能2号になれば永住権はすぐ取れますか?
- いいえ。特定技能2号は在留資格の一種であり、それ自体が永住権ではありません。ただし更新回数の上限がなく長期就労を継続しやすいため、出入国在留管理庁が定める永住許可の在留要件を満たしやすくなります。永住許可には別途、素行要件・生計要件などを満たす必要があります。
- 特定技能1号のまま働き続けることはできますか?
- 特定技能1号の在留期間は原則として通算5年が上限です。5年を超えて建設分野で働き続けるには、2号への移行(技能試験合格と実務経験要件の充足)が基本ルートです。なお2025年9月30日以降は、2号評価試験で合格基準点の8割以上を得るなど一定の要件を満たした不合格者に限り、1号の通算在留期間を6年まで認める特例が設けられています。
- 特定技能2号を受け入れる場合もJACへの加入は必要ですか?
- はい。建設業許可の保有とJACへの加入は1号・2号で共通の要件のため、2号を受け入れる場合もJAC加入が必要です。なお、建設特定技能受入計画の認定は特定技能1号の受入れに関する制度で、2号は対象に含まれません。1号から2号への移行は、国土交通省への手続きではなく地方出入国在留管理局への在留資格変更許可申請で進めます。
- 建設分野特定技能2号評価試験の合格率はどのくらいですか?
- 合格率は試験区分(土木・建築・ライフライン・設備)や実施回によって変動します。JAC(建設技能人材機構)が試験ごとの結果を公表しているため、最新の実施回の結果はJAC公式サイトでご確認いただくのが確実です。