建設業の登録支援機関とは?役割・選び方・費用をわかりやすく解説

2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立しました。
武藤 拓矢のプロフィール登録支援機関とは、特定技能外国人を受け入れる企業から委託を受け、1号特定技能外国人支援計画にもとづく支援を実施する機関です。支援計画は受入企業が作成し、登録支援機関はその作成実務や必要な届出を支援することがあります。建設業では、JAC(建設技能人材機構)への加入や国土交通省による受入計画の認定と合わせて検討する必要があります。
登録支援機関とは
登録支援機関とは、出入国在留管理庁長官の登録を受けた個人または団体で、受入企業(特定技能所属機関)から委託を受けて、1号特定技能外国人支援計画にもとづく支援の実施を代行する機関です。委託は義務ではなく、要件を満たせば自社支援も選択できます。
建設業を含むすべての受入企業は、出入国管理及び難民認定法にもとづき、特定技能1号外国人へ10項目の義務的支援を実施する義務を負います。建設ジンザイテラスを運営する合同会社エドミールも登録支援機関のひとつです(登録番号 25登-011916)。
登録支援機関の支援内容
登録支援機関が行う支援は、入管法で定められた10項目の義務的支援と、機関ごとに内容が異なる任意的支援の2種類です。
義務的支援10項目
義務的支援は、受入企業または登録支援機関のどちらかが必ず実施しなければならない支援で、次の10項目です。
- 事前ガイダンス(労働条件・活動内容の説明)
- 出入国時の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 非自発的離職時の転職支援
- 定期的な面談の実施・行政機関への通報
任意的支援の例
任意的支援は、義務的支援を超えて登録支援機関が独自の判断で行う支援です。法令上の実施義務はなく、内容や範囲は機関ごとに異なります。
相談対応の体制拡充や日本語学習機会の追加提供など、義務的支援を手厚くする形で提供されることが一般的です。委託前に、任意的支援の範囲が費用に含まれるかを確認しましょう。
登録支援機関に委託すべきか、自社支援でよいか
省令で定める支援体制の基準(支援責任者・支援担当者の選任、中長期在留者の受入れ実績等の要件、中立性など)を満たし、10項目の義務的支援を継続的に実施できる体制があれば自社支援も可能ですが、基準を満たせない場合は登録支援機関への委託が現実的な選択です。
委託するメリット
委託すると、義務的支援の実務負担を軽減できるほか、JAC加入や受入計画の申請支援もまとめて相談できます。
- 支援計画の作成実務や支援の実施にかかる業務負担を軽減できる
- 10項目の義務的支援を漏れなく実施でき、法令違反のリスクを抑えられる
- 建設分野特有のJAC加入・受入計画申請の知見を活用できる
自社支援に必要な体制
自社支援を行うには、省令で定める支援体制の基準を満たす必要があります。支援責任者・支援担当者の選任、中長期在留者の受入れ・相談業務等の実績要件、支援の中立性の確保に加え、外国人材とのコミュニケーションに対応できる語学力または通訳体制、出入国在留管理庁への各種届出を継続的に行える事務体制が求められます。
建設現場は勤務地の移動が多く、定期面談や生活支援を自社だけで継続するのは負担が大きくなりがちです。体制を揃えるのが難しい場合は、登録支援機関への委託を検討しましょう。
登録支援機関の選び方
登録支援機関を選ぶ際は、建設分野での支援実績、JAC加入・受入計画申請への対応力、費用内訳の透明性の3点を軸に比較します。
- 建設分野での支援実績を公式サイト等で確認できるか
- JAC加入手続きの案内や受入計画申請への対応力があるか
- 月額費用に含まれる支援範囲と、含まれない追加費用の条件が明確か
- 受け入れたい国籍・言語に対応した支援実績があるか
より詳しい比較ポイントは登録支援機関の選び方で解説しています。具体的な委託先を探す方は【2026年】建設業に強い登録支援機関おすすめランキング9選もご覧ください。
費用相場
支援委託費は月額20,000円〜、在留資格申請は100,000円〜、在留資格更新は50,000円〜が目安です。JAC関連費用は別途発生します。
金額は採用人数や必要な支援範囲によって異なるため、個別の見積もりが必要です。詳しい料金プランは建設業 特定技能 費用相場で、JAC費用の内訳はJAC 特定技能 費用でご確認いただけます。
建設分野特有の対応力を確認する
建設分野の特定技能はJAC(建設技能人材機構)への加入と、国土交通省による建設特定技能受入計画の認定が前提となるため、登録支援機関がこれらの手続きを案内できるかを確認する必要があります。
加えて、建設分野の特定技能は土木・建築・ライフライン/設備の3区分に分かれており、区分ごとに従事できる作業範囲が異なります。登録支援機関が区分を正しく理解しているかも、支援の質を左右します。
- JAC加入手続きの案内に対応できるか(詳しくはJAC(建設技能人材機構)とは)
- 建設特定技能受入計画の申請支援に対応できるか(詳しくは受入計画の申請方法)
- 建設業の業務区分を理解した支援計画を作成できるか(詳しくは特定技能【建設業】完全ガイド)
よくある質問
- 登録支援機関への委託は必須ですか。
- 支援計画にもとづく支援の実施自体は義務ですが、委託自体は必須ではありません。省令で定める支援体制の基準(支援責任者・支援担当者の選任、受入れ実績等の要件、中立性など)を満たし、10項目の義務的支援を継続的に実施できる体制があれば、自社支援も選択できます。
- 支援委託費用を特定技能外国人本人に負担させることはできますか。
- できません。義務的支援にかかる費用は受入企業が負担するものと定められており、特定技能外国人本人から徴収することは認められていません。
- 登録支援機関になるにはどうすればよいですか。
- 出入国在留管理庁への登録申請が必要です。支援責任者・支援担当者の選任、中長期在留者の受入れ実績または外国人からの相談業務の経験など、登録のための要件を満たす必要があります。
- 登録支援機関との契約はいつまでに結べばよいですか。
- 登録支援機関へ支援を委託する場合は、在留資格の申請までに委託契約を結び、委託先を記載した1号特定技能外国人支援計画を提出できるよう支援体制を整える必要があります。