特定技能2号「建設」の要件とは?業務区分・試験・受入企業要件を解説

2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立しました。
武藤 拓矢のプロフィール特定技能2号「建設」の取得には、班長としての実務経験と試験合格という2つの要件が必要です。試験は建設分野特定技能2号評価試験、または技能検定1級・単一等級のいずれかに合格します。
実務経験の内容は業務区分によって異なり、特定技能1号として就労しながら積み上げるのが一般的です。受入れ企業側にも建設業許可・建設キャリアアップシステム登録・JAC加入などの要件が課されるため、外国人材本人の要件とあわせて確認しておく必要があります。
特定技能2号「建設」とは(1号との違い)
特定技能2号「建設」とは、在留期間の更新回数に上限がなく、配偶者・子どもの家族帯同も認められる在留資格です。1号は通算5年で在留期間の上限を迎えますが、2号は要件を満たし続ける限り更新を重ねられます。
その分、2号の取得には1号より高度な技能要件が課されます。1号は技能評価試験3級相当や技能実習2号修了で足りますが、2号は班長として複数人を指導した実務経験に加え、より上位の評価試験または技能検定1級・単一等級への合格が必要です。
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算5年が上限 | 更新回数の上限なし |
| 更新サイクル | 法務大臣が個々に指定する期間(3年以内) | 3年・2年・1年または6か月 |
| 家族帯同 | 不可 | 配偶者・子どもは可 |
| 取得要件 | 建設分野特定技能1号評価試験または技能検定3級+日本語試験、あるいは技能実習2号の良好修了 | 建設分野特定技能2号評価試験または技能検定1級・単一等級+班長としての実務経験 |
1号の全体像は特定技能1号 建設、2号の在留資格としての詳しい位置づけは特定技能2号 建設の記事でも解説しています。
取得要件は実務経験と試験合格の2つ
特定技能2号「建設」の取得要件は、班長としての一定期間の実務経験と、建設分野特定技能2号評価試験または技能検定1級・単一等級への合格の2つです。どちらか一方だけでは要件を満たせません。
必要な実務経験年数(班長として)
必要な実務経験は、JAC(建設技能人材機構)によると、複数の建設技能者を指導しながら工程を管理する班長としての実務経験で、建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価基準レベル3(職長レベル)相当の就業日数が目安です。
職種ごとの能力評価基準が整備されていない業務区分では、班長・現場監督としておおむね3年程度(645日)の実務経験が目安とされています。単に作業に従事した年数ではなく、指導・管理の実績が問われる点に注意が必要です。
合格すべき試験(2号評価試験・技能検定)
合格すべき試験は、建設分野特定技能2号評価試験、または技能検定1級・単一等級のいずれかです。評価試験はJAC(建設技能人材機構)が実施し、コンピュータを使用したCBT方式で学科試験と実技試験に分かれています。
技能検定1級・単一等級は都道府県が実施する公的資格で、対応する職種を持つ場合はこちらのルートでも要件を満たせます。どちらの試験も、従事する業務区分に対応するものへの合格が必要です。
業務区分別に求められる内容
業務区分は土木・建築・ライフライン設備の3つで、区分ごとに実務経験の対象業務や試験範囲が異なります。従事できる作業は、取得した業務区分と受入れ企業の建設業許可との対応関係によって決まるため、複数区分にまたがる作業を希望する場合は国土交通省の対応表で確認が必要です。
土木区分
土木区分で2号を目指す場合は、道路・河川・上下水道などの土木施設に関する新設・改修・維持修繕工事のうち、とび・土工、コンクリート圧送、トンネル推進工などの作業で班長・職長を務めた実務経験が対象になります。
建築区分
建築区分で2号を目指す場合は、建築物の新築・増築・改修・解体に関する工事のうち、建築大工、左官、内装仕上げ、屋根ふきなどの作業で班長を務めた実務経験が対象になります。
ライフライン・設備区分
ライフライン・設備区分で2号を目指す場合は、電気通信・ガス・上下水道・電力設備など生活インフラの設置・改修・修繕工事のうち、管工事、電気工事、建築板金などの作業で班長を務めた実務経験が対象になります。
試験内容・合格率
建設分野特定技能2号評価試験は、JACが実施するCBT方式の試験で、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。実技試験では、班長として現場を指導・管理する視点での判断力も問われます。
試験の内容・実施方法
試験は日本国内の試験会場でパソコンを使って受験するCBT方式で実施され、業務区分ごとに問題が分かれています。実務経験は受験資格そのものではありませんが、特定技能2号の在留資格を取得するには、試験合格とは別に対応する業務区分で班長・職長としての実務経験を満たす必要があります。
合格率の実績
合格率は業務区分や実施回によって変動します。区分ごとの受験者数・合格者数・合格率は、JAC公式サイトの試験結果ページで実施回ごとに公表されているため、受験前に最新の数値を確認することをおすすめします。
受入れ企業に求められる要件
特定技能2号の受入れ企業には、建設業許可の保有、受入れ企業と特定技能外国人双方の建設キャリアアップシステム登録、JAC加入などが求められます。建設特定技能受入計画の認定は特定技能1号の受入れに関する制度で、2号への切り替えでは対象になりません。
JAC加入との関係
JAC加入は、特定技能2号の外国人材を受け入れる場合にも必須です。JAC正会員である建設業者団体の会員になるか、JACの賛助会員として直接加入するかのいずれかの方法を選びます。
JACの役割や加入方法は、建設技能人材機構(JAC)の記事で詳しく解説しています。
建設特定技能受入計画との関係
建設特定技能受入計画は特定技能1号の受入れに関する制度で、2号は対象に含まれません。1号として受け入れていた人材を2号として継続雇用する場合、国土交通省への受入計画の変更申請は不要です。
地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請を行い、移行後は外国人就労管理システムから「2号移行報告書」を報告します。計画そのものの仕組みは建設特定技能受入計画の記事で解説しています。
取得までの流れ
取得までの流れは、実務経験の確認から試験受験・合格、企業側要件の充足、在留資格変更の申請までの4ステップが基本です。
- 班長としての実務経験が要件を満たしているか、業務区分ごとに確認する
- 建設分野特定技能2号評価試験または技能検定1級・単一等級を受験し、合格する
- 受入れ企業が建設業許可とJAC加入の要件を満たし、受入れ企業と本人の双方がCCUSへ登録されていることを確認する
- 在留資格変更許可申請を行い、許可を受けて特定技能2号として就労を開始する
特定技能2号を取得するメリット
特定技能2号を取得する最大のメリットは、在留更新の上限がなくなり、家族帯同が可能になる点です。1号のように通算5年で在留期限を迎える心配がなく、更新に上限がないため出入国在留管理庁が定める永住許可の在留要件も満たしやすくなります。
企業側にとっても、班長クラスの技能を持つ人材を長期的に確保できる点は大きな利点です。技能実習生や特定技能1号だけでは難しい現場マネジメントの安定にもつながり、育成した人材の定着や技能継承にも寄与します。
試験に合格するための対策
試験に合格するための対策は、JAC公式サイトで配布されているテキスト・参考資料を使った学習が基本です。学科試験は制度知識や安全管理の理解が問われるため、実務だけでなくJAC公式サイトの試験対策ページで制度面の学習も並行して進める必要があります。
実技試験では、日々の現場作業を通じて班長として求められる判断力・指導力を積み上げておくことが合格の近道です。特定技能1号として就労している期間から、上位者の指導方法を意識して学んでおくと準備がしやすくなります。
よくある質問
- 特定技能1号を経ずに2号から取得できますか。
- 制度上は可能です。2号には日本語試験の要件がなく、班長としての実務経験と技能試験の合格があれば1号を経由せずに申請できます。ただし、申請には班長等としての実務経験を証明する必要があります。
- 特定技能2号でもJACへの加入は必要ですか。
- 必要です。受入れ企業はJAC正会員団体の会員になるか、JACの賛助会員として直接加入する必要があります。1号・2号で加入要件に違いはありません。
- 2号評価試験に不合格だった場合はどうなりますか。
- 再受験は可能です。国内試験では、前回受験日から30日以降に再受験できます。次回以降の試験で改めて受験し、合格を目指す形になります。
まとめ
特定技能2号「建設」の取得には、班長としての実務経験と2号評価試験(または技能検定1級・単一等級)への合格という2つの要件が必要で、業務区分ごとに実務経験の内容や試験範囲が異なります。区分ごとに異なる実務経験の考え方や社内での記録の残し方を早い段階で整理し、建設業に特化した登録支援機関である建設ジンザイテラスへご相談いただくことで、受入れ企業の建設業許可やCCUS登録状況の確認から2号への移行までスムーズに進められます。