建設特定技能受入計画とは|認定基準・必要書類・費用を解説

2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立しました。
武藤 拓矢のプロフィール建設分野で特定技能1号外国人を受け入れる企業は、国土交通大臣(地方整備局等)から建設特定技能受入計画の認定を受ける必要があります。在留資格申請との並行申請は可能ですが、在留資格の許可・交付には受入計画の認定証が必要です。
建設業特化の登録支援機関である建設ジンザイテラスが、認定基準から費用の目安まで実務のポイントを整理しました。自社が今どの段階の準備を進めればよいか、判断材料としてご活用ください。
建設特定技能受入計画とは
建設特定技能受入計画とは、建設分野で特定技能1号外国人を受け入れる際に、国土交通大臣(地方整備局等)の認定を受ける必要がある建設分野特有の計画書です。在留資格認定証明書交付申請・変更許可申請と並行して提出できますが、在留資格の許可・交付には受入計画の認定証が必要です。
認定を受けずに外国人を受け入れることはできません。申請主体は外国人本人ではなく受け入れる建設企業(特定技能所属機関)で、認定基準を満たしているかどうかは次の章で確認できます。
受入企業が満たすべき認定基準
受入企業が満たすべき認定基準は、建設業許可・CCUS登録・JAC加入などの企業側要件と、報酬や契約内容など外国人本人に関わる要件の2つに分かれます。いずれか一つでも欠けると認定を受けられません。
受入企業に関する要件(建設業許可・CCUS登録・JAC加入)
受入企業に関する要件の中心は、建設業許可・建設キャリアアップシステムへの事業者登録・JAC(建設技能人材機構)への加入の3点です。JAC加入では行動規範の遵守も求められます。
このほか、国土交通大臣が指定する講習・研修の受講や、国またはFITSによる巡回指導の受け入れも必要です。
- 建設業法第3条の許可(有効期限内)
- 建設キャリアアップシステムへの事業者登録
- JAC(建設技能人材機構)への加入と行動規範の遵守
- 国土交通大臣指定講習・研修の受講
- 国またはFITSによる巡回指導の受け入れ
外国人本人・労働条件に関する要件
外国人本人・労働条件に関する要件は、日本人と同等以上の報酬を月給制で支払うことです。受け入れにあたっての重要事項も、外国人が理解できる言語で事前に説明する必要があります。
昇給の仕組みがあることや、比較対象となる日本人がいない場合の報酬設定根拠を示せることも求められます。
認定申請に必要な書類
認定申請に必要な書類は、受入企業・就労環境・外国人に関する書類の3グループで合計15〜20点前後にのぼり、事務所ごとに数え方が異なります。
書類はすべてPDFまたは画像データにしてオンラインで提出します。
受入企業に関する書類
受入企業に関する書類は、登記事項証明書や建設業許可証、JACの会員証明書など、企業の実在性や許可・加入状況を示す書類が中心です。
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 建設業許可証の写し(有効期限内のもの)
- JAC会員証明書
就労環境に関する書類
就労環境に関する書類は、就業規則や賃金規定、労働時間に関する協定届など、労務管理の実態を示す書類です。
- 就業規則・賃金規定
- 直近1年分の賃金台帳
- 労働時間に関する協定届
外国人・就労条件に関する書類
外国人・就労条件に関する書類は、雇用条件書や日本人従業員との報酬比較資料、重要事項説明書など、個々の外国人の受け入れ条件を示す書類です。
- 雇用条件書
- 同等の技能を有する日本人との報酬比較資料
- 重要事項説明書(外国人が理解できる言語のもの)
- ハローワークで求人した際の求人票またはこれに類する書類(技能実習からの移行の場合も必須)
申請の流れ・オンライン申請の手順
申請の流れは、必要書類をデータ化して外国人就労管理システムでオンライン申請し、並行して支援計画の作成や在留資格の申請を進め、就労開始後に受入報告を行います。書類ごとの記載例は受入計画の申請方法で詳しく解説しています。
書類準備からオンライン申請まで
書類準備からオンライン申請までは、必要書類をPDFまたは画像データ化し、外国人就労管理システムへログインして必要事項を入力・アップロードする流れです。入力内容や添付書類に不備があると差し戻しとなり、審査期間が延びる原因になります。
支援計画・在留資格申請・受入報告の手続き
受入計画の申請と並行して、支援計画の作成・在留資格の申請を進められます。ただし在留資格の許可・交付には受入計画の認定証が必要です。
- 1号特定技能外国人支援計画の作成
- 在留資格変更許可申請または在留資格認定証明書交付申請
- 就労開始後、原則1ヶ月以内の1号特定技能外国人受入報告書の提出
受け入れ後の講習の実施も忘れずに設定しておく必要があります。
申請のタイミングと審査期間の目安
申請のタイミングは、雇用開始予定日または技能実習2号修了予定日のおおむね6ヶ月前からです。審査期間は補正がなければ1.5〜2ヶ月が目安で、地方によってはさらに数ヶ月かかる場合があります。
関東地方整備局では、補正がない場合でも3ヶ月〜3ヶ月半程度を見込むと案内されています。
いつから申請できるか
技能実習2号を修了して特定技能へ移行する場合は修了(予定)日のおおむね6ヶ月前から、新規に雇用する場合は雇用開始予定日のおおむね6ヶ月前から申請できます。早めに申請しておくことで、書類不備による差し戻しにも余裕を持って対応できます。
審査期間の目安
審査期間の目安は、補正がなければ1.5〜2ヶ月程度が標準です。地方や整備局によってはさらに数ヶ月かかる場合があるため、雇用開始予定日から逆算して早めに準備を始めましょう。
申請にかかる費用の全体像
申請にかかる費用は、JAC加入に伴う年会費や、外国人1人あたり月額1万2,500円の受入負担金などの継続コストが中心です。申請代行を依頼する場合は、別途7万円台〜9万円台の代行費用が目安になります。
JAC加入費用・受入負担金
受入企業がJAC正会員団体(建設業者団体)を通じて加入する場合、JACへ直接支払う年会費はなく、所属団体所定の会費がかかります。団体を介さず直接加入する場合は賛助会員となり、年会費は24万円です。
受入負担金は加入区分にかかわらず、1号特定技能外国人1人あたり月額1万2,500円です。2023年3月以降は国土交通大臣指定講習の受講料もJACが全額負担しており、詳しい費用比較はJAC経由の費用相場で確認できます。
代行を依頼する場合の費用相場
代行費用の相場は、受入計画認定申請だけで7万円台〜9万円台です。在留資格の申請まで含める場合は、1人あたり別途3万円〜5万円程度が加算されるケースがあります。
費用の内訳や対応範囲は事務所ごとに異なるため、見積もり時にどこまで含まれるかを必ず確認しましょう。
申請前に確認したい主な認定要件
申請前に特に確認したいポイントは、労働者派遣形態になっていないか、日本人従業員との報酬比較資料がそろっているか、就業規則と申請内容が整合しているかです。建設特定技能では労働者派遣は認められておらず、直接雇用が前提となります。
- 労働者派遣形態での受け入れ(直接雇用のみ認められる)
- 比較対象となる日本人従業員がいない場合の報酬設定根拠の不足
- 就業規則に記載された支給額と申請内容の不一致
- 建設キャリアアップシステムの登録が完了していない状態での申請
- 監督処分歴がある場合の申告漏れ
自社対応が難しい場合の相談先
自社での書類準備やJAC加入手続きに不安がある場合は、建設分野に詳しい行政書士・弁護士へ相談する方法があります。受入計画の作成・申請代理は資格者の業務範囲のため、認定後の1号特定技能外国人支援は建設ジンザイテラスのような特定技能サービス(登録支援機関)へ委託できます。
建設分野の職種ごとの受け入れ要件について詳しく知りたい方は、土木区分の受け入れ要件もあわせてご確認ください。無料相談では、現在の準備状況をふまえた次のステップをご案内します。
よくある質問
- 建設特定技能受入計画の認定を受けずに外国人を受け入れることはできますか。
- できません。在留資格認定証明書交付申請・変更許可申請自体は受入計画認定申請と並行して行えますが、在留資格の許可・交付には受入計画の認定証が必要です。
- 審査期間はどれくらいかかりますか。
- 補正がなければ1.5〜2ヶ月程度が目安ですが、地方によってはさらに数ヶ月かかる場合があり、関東地方整備局では3ヶ月〜3ヶ月半程度を見込むと案内されています。
- 技能実習からの移行でも建設特定技能受入計画の認定は必要ですか。
- 必要です。技能実習からの移行であっても建設分野で特定技能として受け入れる場合は受入計画の認定が必須で、修了予定日のおおむね6ヶ月前から申請できます。
- 労働者派遣の形態で建設特定技能の外国人を受け入れられますか。
- 受け入れられません。建設特定技能では労働者派遣は認められておらず、受入企業による直接雇用が前提となります。